コロナ規制緩和と外出した日々のこと
10月上旬に北京へ渡航し、大学敷地内(住んでいる宿舎も敷地内にある)からやっと外出できるようになったのは10月末頃だった。外出できると言っても、大学が作ったwechat内のプログラムで事前に時間や場所、使う交通機関などを入力して申請し、その許可が降りていないと学校の門にある改札みたいな場所も通れないというもの。
学校からは極力外出するなと言われていたし、大学内でコロナ陽性が出た時は、今から再検査結果が出るまで全員宿舎から外出禁止、と突然知らされる日もあった。こんなSF映画みたいなことが現実にあるなんて。それでもとにかくスーパーに行きたかった。外国のスーパーが大好きだし、青やピンクの光に照らされ吊るされる生肉とか、調味料がズラーっと並ぶ様子を見たくて、スーパーでただただ歩き回る為だけに隙を見て外出するなど勝手に行動していた。
それが政府の規制緩和によって急激に外出しやすくなったのが12月中旬頃。PCR検査の陰性照明が反映された緑のQRコードをどこに入るにも見せないといけなかったのが、突然QRコード無しでも普通に入れるように。変化のスピード早すぎる。日本では体験したことないスピード感だった。普通に入れるようになっても、QRコードを出すアプリはまだしばらく使えていたが、それも数日でサービス終了となった。
12/22、2日後から外出申請無しで大学から自由に外出できると知らされる。クラブ遊びやライブが恋しくて、やっと行けるとはしゃいだ私に「でもちゃんと気をつけないといけないよ!!アルコール消毒と手洗いちゃんとして!!」と5歳下のネパール人のルームメイト。早速直近で行けそうなライブを探すと、以前見ていた番組に出ていた歌手が出るイベントを発見。しかも会場はずっと前から行きたかったDDCだ。すぐに友人の分もチケットを押さえ、行き方や他のアーティストをチェックするなど。ライブについてはまた次の記事で書きたい。こうして渡航後約2ヶ月経ってやっと楽しい北京生活が始まったのだった。
中国バンド紹介第1回:空气纸theairpaper
Chinese FootballやFaziなど、コロナ規制の緩和に伴って徐々に中国バンドも日本へ続々と来始めている最近。タイや台湾のインディーズバンドはここ数年かなり流行ってきている印象ですが、中国バンドの認知度はまだまだ低いような気がします。そもそも情報が少ないので、自分なりに好きなバンドやライブ情報などをここで記録していくことにしました。
中国バンドといえば北京無しでは語れません。実は北京はロックの街として有名で、他の都市に比べてバンドカルチャーがかなり盛ん。毎週末、いや平日でも北京の色々なライブハウスでイベントが行われます。
私はそもそもバンドや音楽ジャンルについて全然詳しくなく、北京留学で北京のライブハウスに通い詰めた結果今ハマっている身。上手く説明できない部分もありますが、興味持ってもらえたら嬉しいです~
今回紹介するのは7/28、29に来日イベントのある北京のポストパンクバンド、
空气纸theairpaper。
theairpaper
中国語名:空气纸kōngqìzhǐ(Spotifyなどでたまに空氣纸と表記される場合もあり)
2021年結成。ギターボーカル、ベース、ドラム、VJの4人組ポストパンクバンド。ダークな雰囲気と軽快な電子音の融合や、バンドとしては珍しい(個人的にはそう思う)VJのいる構成が特徴。
ボーカルのLiuyang(刘炀)は、2020年にバンドのサバイバルオーディション番組『The Coming One 4(明日之子乐团季)』に出演し、その後も中国の音楽系番組にたまに出演しています。私はこのThe Coming Oneがきっかけで彼らを知りました。(The Coming One4はめちゃくちゃ面白い番組なのでいつか改めて記事書きたい…)
LiuyangはソロでDJとしても活躍、北京にいる時はほぼ毎週どこかで彼のDJが聴けました。ハードテクノやガバを中心に、たまに中国の有名歌謡曲を原曲でかけるような感じもあり幅広いスタイル。
今月アルバム「Empty Room」が配信。こちらはリード曲LeftのMV↓
Joy DivisionやCanなどヨーロッパのバンドに影響を受けているそうで、「Empty Room」の前のアルバム「Smell」でもそのスタイルが聞き取れます。
Apple Music:
カラカラに乾燥し少し埃っぽい匂いが漂う北京の街。theairpaperのじわじわと漂うけむりに包み込まれ音に酔いしれるような演奏は、そんな北京の空気ごと楽しめるような体験でした。
昨日は久しぶりのDDCでした。theairpaper(空气纸)がじわじわフロアを盛り上げ、最後の方他のバンドのファンも飛び跳ねたしみんな思わず牛B!!!!って叫んでで超良いライブだった〜 pic.twitter.com/ikvt7LFm70
— Akari (@akari2u2) 2023年5月28日
北京で色々ライブ行って、空气纸のライブの没入感とじわじわ盛り上げるライブの上手さ凄いなと思ったんですよね…ビジュアルにもこだわっていて、VJも一緒にステージに上がるのも好き。これはこないだSchoolで見たライブ pic.twitter.com/jSGiHdXIY8
— Akari (@akari2u2) 2023年6月30日
演奏中VJがカメラをメンバーや客席に向け、フィルターかけた映像を後ろにライブで映すなど演奏以外にも視覚的に楽しめる演出も。
最初は心地良く音に乗りながら、知らず知らずのうちに音の渦に酔いしれ飛び跳ねてしまう。その没入感に毎回我を忘れて踊れます。
theairpaperついに来日!!!
そしてなんとtheairpaperの来日イベントが7/28、29日に東京で決定!
LiuyangによるDJもあります✅
■7月28日19:30〜 at 阿佐ヶ谷mogumogu
■7月29日16:00〜 at 高円寺DIG A HOLE
wechatのページで日本語の文章も上げてくれています、優しい!↓
東京であの北京のライブハウスの雰囲気を味わえるチャンス。楽しみです!!
theairpaper SNSアカウント:
weibo:
https://weibo.com/u/6897440704
https://www.instagram.com/theairpaperofficial/
2022年度中国政府奨学金 日中友好協会へ出願
今年の2月、2022年度の中国政府奨学金留学生として内定をいただきました。
当記事は日中友好協会への出願の記録、書類内容や自分なりの注意点などです。
応募するにあたって読んだ経験者さんのブログ記事やツイートにとても助けられたので、当記事も少しでも役に立てたら嬉しいです!
そして私のような社会人&中国語初心者&独学(私の場合半年程度)でも、奨学金は獲得できます。同じようにこれから留学考えている方、少し興味あるけど迷っている方など後押しできたらと思います。
日中友好協会の中国政府奨学金
私が応募したのは日中友好協会の「普通進修生(A)」の枠。
普通進修生(A)の場合「中国語を専攻する学部研究生」となります。自分の中国語能力レベルや年齢から、普通進修生(A)の出願資格に合っていると思い選択しました。
以下は普通進修生(A)の出願資格の一部。
普通進修生(A):
*出願時に高等学校を卒業している者*30 歳以下の者(2022 年 9 月 1 日現在)
*下記条件のいずれかにあてはまる者。
1. 高校、大学等の正規機関(課程)で授業として中国語を履修している(していた)者。
2. HSK(漢語水平考試)3 級以上取得者。(2020 年 4 月 30 日以降発行された HSK 証書があること)
2022年度募集要項URL: https://www.j-cfa.com/wp/wp-content/uploads/2022require.pdf
私は中国語履修経験が無いので2の「HSK3級以上合格」という条件で申請。
1と2のいずれかにあてはまる者なので中国語を履修した経験が無くても、HSK3級取得していることや年齢、その他条件が合えば申請可能です(最初は1と2両方当てはまらないと応募できないと勘違いしていました…)。
タイミング良くHSK4級合格できたので、申請時には4級の合格証明書を提出。
日中友好協会に決めた理由としては
・生活費が月3000元で自分が見た中では多め
・留学期間が1年間ある
・経験者のブログやレポートを読む中で、社会人&中国語初心者でも合格できそうと感じた
・留学経験者の方達との繋がりが強そう
などなど。
実際に経験者や留学予定者も含めた壮行会に参加してから、やはりOB・OGの方々と繋がりが持てるのはとても良い所と感じています。留学に対する不安や分からないこと等些細なことでも相談できたり、留学後の就職で手を貸していただけそうだったりしてとてもありがたいです。(他の機関でも合格後に経験者紹介してもらったりできるのかもしれませんが)
その他の機関について
●JASSOの中国政府奨学金
JASSOは「留学希望大学の受入れ内諾書(予録取通知書)を事前に取得することを推奨する」とあり、私は現役大学生でもなく、さらに向こうの大学とコネクションも無いのでハードルが高く感じました。
URL: https://ryugaku.jasso.go.jp/scholarship/scholarship_foreign/china/scholarship_cn/
●中国国際教師奨学金
国際中国語教師奨学金には色々なコースがあるのが魅力でした。ただHSK何点以上という指定や生活費が若干少ないなどの違いから、日中友好協会を選択しました。
URL: https://www.hskj.jp/koushigakuin-syougakukin_ryuugaku-program2022/
自分は機関選びに結構悩んで、数ヶ月応募された方の記事を読みまくって比較し、自分に合う制度や金額の機関を絞っていきました。その中でも社会人かつ貯金も少ない自分が行けるかどうかが、決める大きなポイントになっていたと思います。
申請書類準備での注意点、内容について
申請にあたって書類準備はかなり苦労しました。細かな指定が多いので募集要項を繰り返し読み込み、間違えのないよう何度も確認しました。
出願期間は1月5日〜20日と年明け早々。年末年始の休み期間もあったので、大学の卒業証書や成績証明書は募集要項が公開された12月のうちに取りにいきました。
そして社会人の自分が準備で大変だったのがコピー&スキャンを無料で自由にできないこと。自分用のコピーやスキャンデータが必要だったり、何度もコピーミスしたり、印刷代も馬鹿になりません。これって本当に大学生の特権ですね……
ここからは必要書類のうち一番時間と手間のかかった学習計画書と小論文の内容について紹介します。
学習計画書
A4横書き1枚分で中国語(500字以上)or英語(500ワード以上)どちらか1通と和文1通を用意します。
内容は留学中の学習計画としか指定されておらず、形式は自由。
大学でも学習計画書を作ったことが無く、何も分からない状態だったのでとりあえず世の中の「学習計画書」というものはどんなものか調べることから始めました。中国語の学習計画書も百度で検索すると色々と出てきて、形式なども含め参考になります。
自分は以下のセクションに分けて書いてみました。
・自分の略歴
・留学で達成したい目標
・動機
・目標達成する為の実施内容とその成果
・中国で学ばないといけない理由
量はA4用紙ちょうど1枚分埋まるくらい(日本語1379字、中国語1155字)でした。
意識したポイントはパッと見で全体が分かりやすいこと、具体的に書くこと、留学しなくても実施できることはなるべく書かないことなど。
現地の留学での学習計画書、なのでなるべく現地でしかできない実施内容にし、この計画だったら留学じゃないとできないな!と思えるように意識しました。
さらに目標達成するのに何を、どのくらいやって、どんな成果が得られるかを具体的にする為、数値を入れる(◯◯を週何日やる、1日に◯時間行うなど)ことで、よりリアリティのある内容になりました。
ちなみに中国語verの作成はお金を払って翻訳者にお願いしました。知り合いに翻訳できる人も、自分で翻訳する力や余裕も無かったのでやむを得ず。上がってきた訳文と原文をしっかり比較し、もれなく訳されているかの確認は必ずやっておくべきですね(実際抜けがあって冷や汗かきました…)
依頼することが禁止などは書いてないので最終的に提出できればOKでしょう。
小論文「日本、中国、わたし 〜中国政府奨学金留学にあたって〜」
1300〜1500字、A4横書き1枚分、こちらは日本語のみ。
内容は志望動機や留学後の計画なので学習計画書よりはまだ書きやすいですが、これもとにかく世の中の「留学志望動機」を調べまくりました。
大事なポイントは、この人に奨学金出して留学させるメリットありそう!と思わせるような文にすることだと思います。出願資格には「日中両国の友好の懸け橋をなろうとする意欲を持つ者」とあり、とにかくこの言葉に沿った人間かどうかが伝わることが大事なのかなと。
書いた内容:
・韓国語の通訳経験から得たことを絡め、語学力向上が日中の懸け橋になること
・中国エンタメの面白さと認知の低さを実感した経験
・留学することで自分がどんなふうに日中を繋げられるか
字数は1450字でした。
志望動機は正直言って挙げればキリがないので、なるべく1つの事柄を深く掘り下げて具体的に書けるよう上記内容を選びました。経験やエピソードを入れつつ、学習計画とリンクさせて自分がどんなふうに日中友好に貢献していけるか訴えられたら良いのではと思います。
学習計画書も小論文も、知り合い(大学時代の友人、前の会社の先輩、弟など)に添削してもらいました。自分で読み直すことはもちろんのこと、中国留学について何にも分からない人に読んでもらうことで1人では気づけなかった点を沢山指摘してもらえました。本当にありがたい…
意見をもらったり質問されたりする中で書きたい事がはっきりしていき、構成を何度も修正。一番最初に書いた文章じゃ落ちていたと思うほど、添削後に完成した文章は全く違うクオリティに仕上がりました。
書類提出は書留郵便でないといけないので、一度会社に持っていって昼休みにダッシュで郵便局へ駆け込むなどして送りました。
選考結果は1/27にホームページで公開され合格、二次審査の面接へ進みました。
面接についてや奨学金合格後の状況などは次回の記事で…